今週の焦点は、市場は中東問題に「飽きる」かです。米国とイランの終戦協議は合意に至らず週初はリスクオフでスタートする見通しですが、「脅しとTACOの繰り返しに戻る」と見切れば株価下落は限定的となる可能性もあります。
マーケットでは材料が根本的に解決していなくとも、反応が鈍くなったり、次の材料を探すようになったりすることがしばしばあります。新型コロナ禍は2020年1月ごろから中国を中心に本格的に広がり3年以上、世界の経済を圧迫しましたが、日経平均が底を打ったのは20年3月19日でした。
その理由は、やや陳腐ですが、材料をある程度株価に織り込んだということ。中東情勢は、今後さらに状況が悪化する可能性もありますが、もしそうなればその時に織り込めばいい、というわけです。
最近はリスクオフの材料に株価の下落幅が小さくなってきました。トランプ米大統領がSNSで脅した後は「TACO」るという展開が続くのであれば、それほど恐れることはないと思い始めたのかもしれません。
ただ、原油価格は高止まりしており、企業業績にどの程度、影響するかは、市場もまだ読み切れていません。原油価格の上昇による影響だけでなく、原油の不足によって石油関連製品は深刻な減産や値上がりを迫られる可能性があります。電力コストが高止まりすれば、大量に電気を消費するデータセンター建設にも影響が出ます。インフレが加速する恐れが強まれば、景気よりも物価抑制のために利上げを選択する中央銀行も増えそうです。
米国では来週から金融機関を皮切りに決算発表が始まります。1─3月期ですので、イラン攻撃が始まった後の3月分が含まれています。米企業は比較的影響が小さいとみられていますが、ガイダンス(見通し)を含め、少しでも悪影響が出ていれば、他国の企業の影響はもっと大きくなりそうだとみられる可能性があります。また金融機関では、プライベート・クレジット・ファンド関連の情報開示も注目されそうです
4月7日終了週のドル円はやや上昇。1日に一時158円台前半を付けたが、トランプ米大統領が7日朝、期限までに交戦終結の合意が成立しなければ「文明全体が今夜滅び、二度と取り戻せなくなる」と投稿。7日に一時160円台に上昇した。3日までの日経平均は5万3000円台を中心に乱高下。1000円超の上下を繰り返す荒れた展開が続いたが、終値は0.47%安だった。長期金利は2.3%台後半でのもみあい。
日本取引所が9日に公表した4月第1週(3月30日─4月3日)の投資部門別取引状況で、海外投資家は日本株の現物を1兆9149億円買い越しました。その前の週の1兆5090億円の売り越しから一転大きな買い越しになりました。この変動の一因は、海外勢による年度末前後の配当の付け替えトレードによるものとみられています。
円:海外投機筋の円売り越しは9.3万枚に拡大、24年介入後以来の高水準
米商品先物取引委員会(CFTC)が10日に発表した4月7日終了週のIMM通貨先物の非商業(投機)部門の円先物のポジションは、ネットで前週比2万0870枚増の9万3742枚の売り越しとなった。日本当局による為替介入(7月11・12日)後の24年7月23日終了週以来の大きさ。ロングが前週比3796枚減の9万1560枚と縮小したほか、ショートが前週比1万7074枚増の18万5302枚と拡大した。ロングは6週連続で縮小し25年1月14日終了週以来の小ささ、ショートは2週連続の拡大で24年7月16日終了週以来の大きさとなった。
一方、レバレッジド・ファンドはネットで前週比4928枚増の5万1110枚の売り越しとなった。3週ぶりの売り越し増。売り越しは39週連続。
日本株:現先合計で5046億円買い越し、5週ぶり買い越し
日本取引所が9日に公表した4月第1週(3月30日─4月3日)の投資部門別取引状況で、海外投資家は現先合計で日本株を5046億円買い越した。5週ぶりの買い越し。株式指数先物(注1)を1兆4103億円売り越したが、現物を1兆9149億円買い越した。現物は4週ぶりの買い越し、先物は2週連続の売り越し。
円債:現先合計で2.5兆円買い越し、約1年ぶりの大きさ
海外投資家は4月第1週(注1)に日本国債を現先合計で2兆5175億円買い越した。2週ぶり買い越し。25年4月第2週以来の大きさとなった。長期国債先物(日本取引所の投資部門別取引状況、3月30─4月3日)は961億円の買い越しと小幅だったが、現物(財務省の対内中長期債投資、3月29日─4月4日)を2兆4214億円買い越した。現物は25年4月第1週以来の大きさ。
注1:株・債券と円では集計期間が一部異なる。円債も先物と現物で集計期間と集計対象が異なる。
注2:日本株先物は、日経平均先物のラージ・ミニ・マイクロ、TOPIX先物のラージ・ミニ、JPX日経400先物、グロース市場250指数先物の合計。

*日本株と円債の先物動向と、週の見通しを加えてUPDATEしました。
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